閉じた作業に強い
短いコード、表計算、文章整理、静的レビュー、単発のファイル生成に向きます。
AIに課金する価値は、「どのモデルが一番賢いか」だけでは決まりません。自分の中では、チャット内で完結する作業はGemini、ローカルファイルを読み書きして実行・検証する作業はClaude CodeやCodex、という分け方がいちばん実務的でした。
Gemini 3.1 Proは、静的レビュー、小さなHTML、Apps Script、スプレッドシート相談、新規ファイル生成にはかなり使えます。ただし、実行時エラーの確認、外部通信やファイル操作のテスト、同じファイルを長期的に安全に育てる作業では、Claude CodeやCodexに課金する価値が出ます。
Gemini、Claude Code、Codexは、どれもAIです。でも、実際に使っていると、差が出る場所は「回答の賢さ」だけではありません。
チャットの中だけで完結するのか。ファイルをアップロードして分析するのか。ローカルのフォルダを読んで、複数ファイルを編集して、コマンドを実行して、結果を見ながら直せるのか。
この違いが、かなり大きいです。
短いコード、表計算、文章整理、静的レビュー、単発のファイル生成に向きます。
複数ファイルを読み、編集し、コマンドを実行して、開発作業を進められます。
ファイル、下書き、検証、スキル、ルール、ブラウザ確認などを作業環境ごと扱えます。
Geminiは、相談相手としてかなり使いやすいです。特に、材料がチャット内に収まる作業なら強い。
たとえば、短めのHTMLツールを作る。Google Apps Scriptを書く。スプレッドシートの関数を考える。表の集計方針を相談する。短い文章を整理する。
実際、HTMLで動く小さなアプリケーションツールや、スプレッドシートまわりの処理は、Geminiでも十分に相談できます。
公式ヘルプ上でも、Geminiアプリはドキュメント、スプレッドシート、写真、動画などをアップロードして分析できます。コードフォルダやGitHubリポジトリを追加する機能もあります。だから、「Geminiはファイルを一切扱えない」と言うと、今の実態とは少し違います。
| 作業 | Geminiでの向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 短いHTML | 向いている | 1ファイルで完結しやすく、チャット上で確認しながら作れる。 |
| Apps Script | 向いている | 処理の規模が小さければ、生成・修正の相談がしやすい。 |
| スプレッドシート相談 | 向いている | 関数、集計、列設計などはテキストで扱いやすい。 |
| 単発の文章整理 | 向いている | 素材を渡して、その場で整理する使い方と相性がいい。 |
Gemini自身の説明でも、ここはかなり分かりやすく分かれます。
Geminiは、コードを実際にプロセスとして起動して、メモリに乗せて、外部環境と通信させながら動作確認することはできません。つまり、実行時エラーの動的な検知は苦手です。
Geminiは「読んで指摘する」「書き方を提案する」仕事に向いている。 Claude CodeやCodexは「動かして確認する」「失敗を見て直す」仕事に向いている。この差は、課金判断のかなり実務的な境目です。
Geminiは、CSV、PDF、テキストファイルのような成果物を作り、Google Driveに保存することができます。これはかなり便利です。
たとえば、チャットで渡した経費メモを整理して、expense_log.csv のようなファイルを作る。Google Driveに置く。スプレッドシートで開けるようにする。この使い方なら、Geminiは十分に実用的です。
ただし、「同じ1つのファイルを、毎日少しずつ安全に育てる」となると話が変わります。
Geminiの説明では、Googleドキュメントを更新する場合でも、既存ファイルに直接追記していくというより、元の内容を読み込み、新しい情報を足した新バージョンを作る形になるとのことでした。
この方式だと、ログが短いうちは問題になりにくいです。でも、内容が長くなるほど、AIが再構成の途中で一部を要約したり、重要度が低そうな部分を省略したりするリスクが出ます。
スプレッドシートでも同じです。AIが内部的にCSVのようなテキストデータを一から組み立てるなら、行数が増えたときに、途中の行が抜けたり、「中略」のように省略されたりする危険があります。
CSV、PDF、テキストなどをその場で作り、Driveに保存する用途なら十分に実用的。
数百行、数千行になると、プロンプトだけで「絶対に省略しない」を保証するのは難しい。
既存ファイルを読み、差分だけを追記し、行数を確認し、スクリプトで欠落を検査するならClaude CodeやCodexが向く。
自分の中では、Claude CodeやCodexの出番は「コードが難しくなったら」ではありません。
作業がローカルに残り、ファイルが増え、実行して確認する必要が出てきたら、そこから価値が出ます。
| 判断軸 | Geminiでよい | Claude Code / Codexに寄せる |
|---|---|---|
| 情報量 | チャット内に収まる | ファイルやログが増え続ける |
| 検証 | コードを読めば判断できる | 実際に動かして確認する必要がある |
| 更新方法 | 新規ファイルを作る | 同じファイルを安全に追記する |
| 作業履歴 | 単発で終わる | 前回の決定やルールを引き継ぐ |
| プロジェクト | 1ファイル中心 | 複数ファイル、Git、テスト、公開手順が絡む |
たとえば、HTMLを1枚作るだけならGeminiでもいい。けれど、HTML、CSS、JavaScript、データファイル、下書きメモ、公開スクリプト、サイトマップ、robots.txtまで関係してくると、ローカルで状況を見ながら進められるエージェントの方が向いています。
このブログの下書き管理もそうです。CURRENT.md を読んで、ルールを見て、下書きを作り、次回のために状態を更新する。こういう作業は、単発チャットよりローカルファイルを扱えるAIの方が自然です。
Claude CodeとCodexの差については、正直、現時点では自分の中でそこまで大きくありません。
どちらも、ローカルファイルを読める。複数ファイルを編集できる。コマンドを実行できる。作業ルールを持たせられる。長めの開発作業を進められる。
もちろん、細かい体験差はあります。Claude Codeは、Claudeのエコシステムや CLAUDE.md、スキルまわりと自然につながります。Codexは、Codexアプリ、ローカル/Worktree/Cloudのモード、内蔵ターミナル、ブラウザ、スキル、MCPなどの作業面がまとまっています。
ただ、個人開発者としての大きな使い分けは、今のところ「Geminiか、ローカル作業エージェントか」の方が大きいです。
GeminiとClaude Code/Codexの差は、作業場所の差。Claude CodeとCodexの差は、現時点では好みや環境の差。自分の中では、そんな感覚です。
AIツールを選ぶとき、モデルの性能差だけを見ると迷います。
でも実際には、「どこに作業があるか」で分けると分かりやすいです。
チャット内に収まるならGemini。ファイルが増えて、履歴が残り、実行と修正が必要になるならClaude CodeやCodex。
この分け方にすると、AIの使い方がかなり整理されます。
Geminiは相談と小さな制作に強い。Claude CodeやCodexは、作業場に入って一緒に進めるのが強い。
どれが上かではなく、どこから先を任せるか。
AIツールの使い分けは、そこから考えるのがいちばん実用的だと思っています。
※ 各ツールの仕様は変わる可能性があります。この記事は2026年7月1日時点の自分の利用感と、確認できた公式情報をもとに整理しています。